ぼっちヅカファンの遠征記録

田舎のボロアパートから観劇(主に宝塚)の感想を書いています。

星組「婆娑羅の玄孫」ライブ配信感想

轟悠さんの主演舞台「婆娑羅の玄孫」のライブ配信を見ました。

 

いやーよかったです!!

勧善懲悪でコメディ要素もあるのですが、最後は泣かせに来るお話でした。

 

プロローグは「轟け轟け~~」というテーマソングで始まります。

こういう風に芸名にちなんで曲を書いてくれるのは宝塚ならではですよね。

また、轟さん演じる細石蔵之介ですが、彼は男女問わない寺子屋を開いていたりなど人望厚く、町人に「イシさん」と呼ばれているんです。

 

1幕は主に中国人の姉弟(小桜ほのかさん、稀惺かずとさん)が父親の仇を取るお話です。意外と簡単に仇の証拠が取れたり、復讐が成功したりとお話は良くも悪くもスムーズなのですが(笑)、明るくて楽しい場面が多いです。

 

印象に残ったのは「論語のゴゴゴ」というナンバー。歌詞が単純ですけど、かなり耳に残ります←。町の子供たちが歌う明るくてかわいらしいナンバーでした。また、そのうちの娘役さんが可愛いと思いましたが、瑠璃花夏さんというそう(芸名もかわいい)。

 

他に印象的だったのは、神田祭の盆踊りをイメージしたイシさんとお鈴(音波みのりさん)のナンバー。轟さんも音波さんも息が合っていて見ていて楽しい場面でした。

轟さんはいつもお芝居のみで、踊りのイメージが薄かったのですが、手の先まで動きに切れがあり美しかったです。轟さんっていつまでも美しいし、20年以上若いジェンヌと踊っても張り合うしで、本当に轟さんの周りでは時間が流れているのでしょうか。。??

 

また、個人的に印象的だったのは、瓦版売りの極美慎さん。

極美さんってお顔の美しさばかりが印象的だったのですが、お芝居もとってもいいですねー!

活舌よく早口でべらんめぇ口調で話していて、苦しそうな感じが全くないんです。

むしろ、ちょっとした演技にも余裕を感じました。

 

2幕は、イシさんが本来の武士の身分に戻るため町を去るというお話です。

この時に、籠から武士の姿になったイシさんが下りてくるという演出があるのですが、

息をのむほど美しかったです。

その後、町人がお礼を述べる場面がありますが舞台を降りた状態でも似たような光景があるのだろうなと思わされました。

また、その後の小久保彦左役の汝鳥伶さんからイシさんへの激励があります。

「明日は行くものではなくやってくるもの」という言葉が印象に残りました。

 

また、この場面で相手役のお鈴が出てこなかったのが印象的だなと思いました。

大人の都合の演出なのかもしれませんが、お鈴が声だけの出演になったことで

轟さんが一人で宝塚を卒業し、新たな世界へと進んでいくことが強調されたように思います。

 

派手さはないかもしれませんが、卒業なさる轟さんへの思いが詰められていて

素敵な退団公演でした。